Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かにこうせん

蟹工船

小林 多喜二

Lisez 蟹工船 (かにこうせん) de 小林 多喜二 (こばやしたきじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 61 890 caractères · 125 écrans

Aozora Bunko

片方の靴の先だけを、小馬鹿にしたように、カタカタ動かしながら、笑った。「もっとも、どの船だって、ボロ船だがな」

「一刻と云えないようです」

「うん、それア大変だ」

船長は、舵機室に上るために、急いで、身仕度もせずにドアーを開けようとした。然し、まだ開けないうちだった。いきなり、浅川が船長の右肩をつかんだ。

「余計な寄道せって、誰が命令したんだ」

誰が命令した?「船長」ではないか。――が、突嗟のことで、船長は棒杭より、もっとキョトンとした。然し、すぐ彼は自分の立場を取り戻した。

「船長としてだ」

「船長としてだア――ア※(感嘆符疑問符、1-8-78)」船長の前に立ちはだかった監督が、尻上りの侮辱した調子で抑えつけた。「おい、一体これア誰の船だんだ。会社が傭船してるんだで、金を払って。ものを云えるのア会社代表の須田さんとこの俺だ。お前なんぞ、船長と云ってりゃ大きな顔してるが、糞場の紙位えの価値もねえんだど。分ってるか。――あんなものにかかわってみろ、一週間もフイになるんだ。冗談じゃない。一日でも遅れてみろ! それに秩父丸には勿体ない程の保険がつけてあるんだ。ボロ船だ、沈んだら、かえって得するんだ」