Classiques japonais avec furigana
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はえおとこ
蠅男
海野 十三
Lisez 蠅男 (はえおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 118 129 caractères · 237 écrans
検事さん、ちょっとみてきます」
署長があたふたと階下へ下りていく後を、村松検事は追いかけるようにして、大広間の方へついていった。焼屍体のあった大広間は、監視の警官が一人ついたまま、気味のわるいほどガランとしていた。
警官の挙手の礼をうけて、室内に入った署長は、そのとき室内に、異様の風体の人間が、火の消えた暖炉の傍にすりよって、後向きでなにかしているのを発見して、呀ッと愕いた。全く異様な風体の人間だった。和服を着て素足の男なんだが、上には警官のオーバーを羽織り、頸のところには手拭を捲きつけているのだった。頭髪は蓬のようにぼうぼうだ。
「コラッ誰やッ」署長は背後から飛びつきざま、その男の肩をギュッと掴んだ。
「うわッ、アイテテテ……」
異様な風体の男は、顔をしかめて、三尺も上に飛びあがったように思われた。
「何者や、貴様は――」
と、獣のように大きな悲鳴をあげた怪人に、却って愕かされた署長は、興奮して居丈高に呶鳴った。
「いや正木署長、その男なら分っているよ」いつの間に入ってきたか、村松検事がおかしそうに署長を制した。「それは私の知合いで帆村という探偵だ」
「ああ帆村さん。