Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちぬられたかいとう

血ぬられた懐刀

国枝 史郎

Lisez 血ぬられた懐刀 (ちぬられたかいとう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 35 586 caractères · 71 écrans

Aozora Bunko

られた。

秋安は驚いて小腰を屈め、投げられた物を取り上げて見た。

「九燿の紋の付いた懐刀だ! 血にぬれている、血にぬれている! ああお紅殿は自害なされた! 常陸介殿!」

と、飛びかかるようにしたが、

「お紅殿は自害を致しましたぞ!」

「うむ」と云うと木村常陸介は、腕をしっかりと胸へ組んだが、しばらくの間は黙っている。

と、グイと顔を上げたが、樓上の女の死骸を見た。四五人の人影が現われて、欄干に仆れている女の死骸を、屋内へ運んで行こうとしている。

と、木村常陸介は、にわかに頭を巡らしたが、主殿と並んで立っている、一宇の奇形な建物を見た。その建物と主殿とを繋いで、長い廻廊が出来ていたが、その廻廊に青い燈火が、一点ユラユラと揺れながら、建物の方へ進んで行く。一人の侍女が雪洞をささげて、廻廊を進んで行くのであった。いやいやその女一人だけではなくて、その後につづいて四五人の侍女が、群像のように固まって、建物の方へ進んでいた。

「なるほど」と呟いたのは常陸介であった。秋安の方へ顔を向けたが、

「誓った言葉に背きはしませぬ。処女のままの娘として、お紅殿をお返しいたしましょう。