Classiques japonais avec furigana
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ちのもじ
血の文字
黒岩 涙香
Lisez 血の文字 (ちのもじ) de 黒岩 涙香 (くろいわるいこう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 44 021 caractères · 87 écrans
両刃の短剣を持て来たのだ、両刃と云う事は此傷の形で分る、傷の中程が少し厚くて両の縁が次第に細く薄く成て居るじゃ無いか余「成るほど爾だ目「爾すれば此鋭利い短剣を曲者は何うして持て来たゞろう、人に見られぬ様に隠して居たのは明かだ、さア隠すなら何所へ隠す、着物の衣嚢とか其他先ず自分の身の中には違い無いが其鋭利いものを身の中へ隠すのは極めて険呑だ、少し間違えば自分の身に怪我をするか或は又剣先の刃を欠くと云う恐が有る、して見れば何かで其剣先を包んで置かねばならぬ、さア何で包んだ、即ち此コロップだろう、コロップは柔かで少しも刃を傷める患いが無いから夫で之をそッと其剣先へ刺込で衣嚢へ入れて来たのだ余「説き得て妙目「老人を突く時に此コロップを外したが後では最う誰にも認られぬうち早く立去ろうと思うからコロップなどは打忘れて帰たゞろう余「成るほど目「所で比コロップには青い封蝋が附いて居るから何か一種の銘酒の瓶に用いて有ッたに違い無い、斯く段々推して行けば次第に捜すのも易くなる、何にしろ此コロップは大変な手掛だ、是が手に入る以上は僕必ず曲者を捕えて見せる」