Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちまんだらしちょうぶし

血曼陀羅紙帳武士

国枝 史郎

Lisez 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 970 caractères · 176 écrans

Aozora Bunko

義兄弟の噂

しばらく話が途絶えた。春とはいっても、夜は小寒かった。各自に出されてある火桶に、炭火は充分にいけられていたが、広い部屋は、それだけでは暖まらないのであろう。

と、横手の襖が開いて、老僕がはいって来、新しい酒を置き無言で立ち去った。浪人たちは、ちょっと居住居を直したが、老僕の姿が消えると、また横になったり、胡坐を掻いたりした。一番年の若い武士が、燗徳利を取ると、仲間の盃へ、次々と注いだ。燭台の皿へ、丁字が立ったらしく、燈火が暗くなった。それを一人が、箸を返して除去った。明るくなった燈に照らされ、床の間に置いてある矢筒の矢羽根が、雪のように白く見えた。

「その時代には、ずば抜けた豪傑もいたものよ」と、角右衛門が、やがて回顧の想いに堪えないかのような声で、しみじみと話し出した。「もっとも、これは噂で聞いただけで、わしは逢ったことはないのだが、来栖勘兵衛、有賀又兵衛という二人でな、義兄弟であったそうな。この者どもとなると、十人十五人は愚か、三十人五十人と隊を組み、槍、薙刀どころか、火縄に点火した鳥銃をさえ携え、豪農富商屋敷へ、白昼推参し、二日でも三日でも居坐り、千両箱の一つぐらいを、必ず持ち去ったものだそうじゃ。