Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちまんだらしちょうぶし
血曼陀羅紙帳武士
国枝 史郎
Lisez 血曼陀羅紙帳武士 (ちまんだらしちょうぶし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 970 caractères · 176 écrans
――白刃が前後左右に閃めくのであった。数声悲鳴が起こった。渦潮は崩れ、一勢に引いた。杭は、わずかにその位置を変えたばかりで、同じ姿勢で立ってい、その前の地面に、三個の死骸が――波の引いた海上に、小さい黒い岩が残ったかのように、転がっていた。左門に斬られた五郎蔵の乾児たちであった。
子供を産む妖怪蜘蛛
五郎蔵は地団駄を踏み、いつか抜いた長脇差しを振り冠り、左門へ走りかかったが、にわかに足を止め、離座敷の方を眺めると、
「蜘蛛が! 大蜘蛛が!」
と喚き、脇差しをダラリと下げてしまった。
畳数枚にもあたる巨大な白蜘蛛が、暗い洞窟の中から這い出すように、今、離座敷の、左門の部屋から、縁側の方へ這い出しつつあった。背を高く円く持ち上げ、四本の足を引き摺るように動かし、やや角ばって見える胴体を、縦に横に動かし――だから、太い、深い皺を全身に作り、それをウネウネと動かし、妖怪蜘蛛は、やがて縁から庭へ下りた。と、離座敷が作っている地上の陰影から、蜘蛛は、月の光の中へ出た。蜘蛛の白い体に、無数に附着いてる斑点は、五味左衛門の腸によって印けられた血の痕であり、その後、左門によって、幾人かの人間が斬られ、その血が飛び散って出来た斑点でもあった。