Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Lisez 街はふるさと (まちはふるさと) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 193 435 caractères · 389 écrans

Aozora Bunko

すみません。ヤエちゃんが気分が悪いそうですから、苦しかったら、やすんでいるようにと、カギを渡しといたんです」

「気分が悪いッて? 笑わしちゃア、いけないよ。あんたの留守に、お客をくわえこんで商売してるじゃないか」

さすがに意外だったらしく、放二は声をのんで、うなだれた。

「私ゃ、あんたに部屋をかしてるが、パンパンにかしてるんじゃないんだ。パンパン宿にかすんなら、貸し様があらアね」

「北川さんは神様みたいな人ですよ。悪気があってじゃないんだから、カンニンしてあげて下さいな」

と、オデン屋のオヤジがとりなした。

放二の連れが、いつもの若い連中でなく、年配の長平たちだから、管理人も意外だったらしい。ジロジロと三人を眺めまわしたあげく、だまったまま、ふりむいて、ひッこんでしまった。

「あんなに言うことないね。このアパートにゃ、パンパンもいるんだ。みんな店をひらいてらアな」

「ぼくの部屋代が滞りがちだからです」

と、放二は苦笑してオヤジにだけ聞えるように言ったが、耳の鋭い長平は、状況判断を加算して、ききとることができた。

世間の激浪に損われた跡がミジンも見えない貴公子のようなこの青年に、彼の過去がすべてそうであったように、現在も冷酷無情な現実がヒシヒシとりまいていることを、はじめて長平は知ることができた。