Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まちはふるさと

街はふるさと

坂口 安吾

Lisez 街はふるさと (まちはふるさと) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 193 435 caractères · 389 écrans

Aozora Bunko

「もうお話することもないようですが」

礼子はクスリと笑って、

「ムリですわ。そんな。男と女の話ですもの、差向いて、きいて下さらなくちゃ」

全身に媚がこもった。

長平の方が思わず目をそらして、

「じゃア、青木君と三人で」

「ええ、青木となら、かまいません」

「じゃア、ぼくたちの話が終るころ、七時ごろにでも、いらして下さい」

礼子は去った。

去る前にもらした礼子の媚が、長平の頭のシンにからみついて放れない。毒にあてられたようだ。長平の血に浮気の虫が多すぎるせいだが、浮気の血が騒ぎたっても陽気になれない時もある。長平の心はふさぎ、にがりきるばかりであった。

「君、ぼくに代って青木夫妻に会ってくれ」

と、彼は放二にたのんだ。

「ぼくの気持は、きいての通り、あれで全部だよ。君の一存で、自由に捌いてきてくれたまえ」

「お気持だけはお伝えしてきます。ですが、一存で捌きはつけかねますが」

「今夜一夜の間に合せの捌きだよ。あとは、どうなろうと、かまやしないさ。こんなバカバカしい話はもうタクサン」

長平はふと梶せつ子に思いつき、放二をやるのは、いけないかな、と考えたが、放二の澄んだ落付きを思うと、自分以上の老成した大人が感じられ、すべての不安は無用に見えた。