Classiques japonais avec furigana
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がいとうからみたしんとうきょうのりめん
街頭から見た新東京の裏面
杉山 萠円
Lisez 街頭から見た新東京の裏面 (がいとうからみたしんとうきょうのりめん) de 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 546 caractères · 178 écrans
時間で云えば朝五時から八時まで、夕方は六時から九時頃まで納豆を喰う人種のうちに、江戸ッ子が含まれていることは云うまでもない。それから、買う時に苞をのぞいて、一目でよしあしを見わけるのは大抵江戸ッ子である。
「オウ、納豆屋ア」
という短い調子や、
「ちょいと納豆屋さん」
という鼻がかったアクセントを聞くと、いよいよ間違いはない。お神が買い渋るのを、怒鳴り付けて買わせるのも大抵は江戸ッ子である。それから、買うとすぐに器用な手付きで苞から皿へ出して、カラシをまぜて、熱い御飯にのっけて、チャッチャッチャッと素早く掻きまわして、鼻の上に皺を寄せながらガサガサと掻っ込んで、汗を拭う風付きは、何といっても江戸ッ子以外に見られぬ。
「駄目じゃねえか、こんな納豆を持って来やがって。仕方がねえ、一つおいてきネエ。明日っから、もっといいのを持って来ねえと、承知しねえぞ」
など云うのも江戸ッ子に限っている。
こうして調べて見ると、江戸ッ子の居るところはあらかたわかる。
先ず下町は山の手よりも多いのは無論であるが、山の手でも早稲田から青山、四谷、大久保方面にはかなり居る。下町では、初めに書いた昔の江戸ッ子町のほかに、大森から蒲田へかけてはかなり居るらしく、小梅あたりには純江戸ッ子らしいのが居る。