Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はだかぎ

裸木

豊島 与志雄

Lisez 裸木 (はだかぎ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 049 caractères · 33 écrans

Aozora Bunko

」

「あ、そりゃあ、僕自身だって、時々ひやりとすることがある。」

「冷りとする。」

「何だか変に物が……周囲の世界が、象徴的に神秘に見えてくることがあるんだ。そんな時、亡くなった妻の姿……一種のイメージだね……それが、そこだけぽかっと空虚になって、真空というほどになって、はっきり浮出してくる……。」

「例の……形体ある空虚か。」

「それで僕は、変に堪らない気持で外へ飛び出す。そしてむやみと……彷徨するんだ。犬みたいだね。何かしら探し求めずにはいられなくなる。街路を通ってる女達の顔を、一々覗き込んでることがある。自分でも知らず識らずにだよ。気がついてみると……。」

武田は眉根に深い皺を刻んで、老人のような額をしていた。

「それじゃあ、少し遊んでみるといいんだよ。」

「ばかな、そんな真剣な道楽が出来るものか。ただ酒だけはよく飲むが、露骨な肉体は堪らない。」

「露骨な肉体……。」

「そうじゃないのか、君は……。」

「僕の……。そんなんじゃないよ。ただ……。」

佐野は言葉につまった。そうだともそうでないとも云えない気がした。

「鬢附油の匂いなんて、そうじゃないのか。」

「単なる匂いさ。