Classiques japonais avec furigana
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おやがすてられるせそう
親が捨てられる世相
Lisez 親が捨てられる世相 (おやがすてられるせそう) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 326 caractères · 15 écrans
しかし、昔の芸人の芸が今よりもしッかりしていたわけではないのである。昔は彼も「現代」に生きていた。彼自身の現代に生きていたのだ。現代とは、その時代のあらゆるものと共に生き、共に泣き、共に笑っているということだ。相共に本当に血の通った生活をしているということである。
今の芸人がダラシなくなり、歯のうくような芸になったわけではなくて、彼の現代がすでに終って、今の現代に彼が共に生きていなくなってしまったのである。
老人にとって現代風俗が怪しくてバカゲて見えるのは当然だ。現代は常に変りつつある物であるし共に生き、共に泣き、共に笑っている人の物でしかない。
アプレゲールという安直な定義にたよったのは、日本人の人生に対処する目が浅かったせいであろう。その安直な定義は、ひいては今日のアサハカな逆コースを生むキッカケにすらなったようなものである。
親を捨てる子、の現象も決してアプレゲールと限ったものではない。いつの世にも親は子に捨てられる危険性を多分にはらんでいたものだ。
しかし、戦後特に子に捨てられる親が多くなった一因として、親の方にヒガミやヤケが生まれ、忍従やアキラメを失った事実を指摘しうるという点に於て、これこそは戦争の生んだ特異現象の一ツであり、あるいは確かにアプレゲールと称してよろしいものではないかとも思う。