Classiques japonais avec furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lisez 親鳥子鳥 (おやどりことり) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 828 caractères · 181 écrans
僕も郷里へ行けば絹子さんの両親を伯父さん伯母さんと言うことにしている。
「何? 絹子さん」
「私、隆鼻術へ行って見たいと思っているんですが……」
「隆鼻術? お鼻ですか?」
「ええ。あれは利かないものでしょうか?」
「さあ、何うですかしら。けれども絹子さんのは些っとも低いことありませんわ」
「いいえ。低いんですよ。始終苦になりますの。此方へ来た序に一つ手術を受けたいと思っていますが、あれは下手なのにかかると却って形が悪くなると承わりました」
「然うですかね。私、一向存じませんのよ。けれども絹子さんのは些っとも低いことありませんわ」
とお母さんは再び保証した。
「低いんですわ。もう少し何うにかなりそうなものと存じますの」
「お母さんは何と仰有いますの?」
「母は旧式ですから無論反対で、それは慾だと申しますわ」
「慾ですよ、絹子さん。そんな好い御器量に生みつけて戴いて、何だの彼だのと不足を仰有ると罰が当りますよ」
「まあ」
と絹子さんは少し赤らんだ。
間もなくお父さんが出勤の支度をして下りて来て、
「絹子さん、今日は乃木神社ですか?」
と諢った。お祖父さんが相手構わずに武張ったところへばかり案内するのを知っているからだ。