Classiques japonais avec furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lisez 親鳥子鳥 (おやどりことり) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 828 caractères · 181 écrans
まさかその通りとも言えないし、安いと褒めれば今度は高くするに定っている。そこでお母さんは、
「まあ、御冗談を……」
と外した。
「実は私はこの間靴屋に仇を討たれましたよ」
「靴屋でございますか?」
「あの私の家の直ぐ側の靴屋です。彼奴はナカナカ理窟を言いますぜ。靴が大分傷みましたから、一足買う積りで、通りがかりに寄ったんです。しかし彼処はあんな小さな店でしょう? いくら探しても気に入ったのがありません。そこで『此奴は直せば未だ持つかね?』と穿いていたのを見て貰いますと、『これはもう度々お直しになりましたから手がつけられません。このまま破れるまでお穿きになった方がお為めでしょう』と申しました。『然うかな。それじゃ仕方がない』と言って私が帰ろうとすると、『先生、五十銭戴きます』と申しました。『五十銭?』『診察料です』『これは驚いた』というような次第です」
「まあまあ」
「それが本気なんですよ。『この間俺がレウマチで見て戴いた時、先生はこれは何うも手当の仕様がないから、このまま死ぬまで辛抱するんだねと仰有って、診察料を一円お取りになったでしょう?』と来ました。理の当然で一言もありません。