Classiques japonais avec furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lisez 親鳥子鳥 (おやどりことり) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 88 828 caractères · 181 écrans
況んや皆寄って群って助けようと努力するんですもの、死ぬ筈があるもんですか? それではお大切に」
と言って佐久間さんが玄関へ向った時、お祖父さんが現れて、
「や、度々御足労をかけます」
と挨拶をした。
「何うも御縁が切れなくて困ります。しかしもう御心配はありません。時に閣下、閣下のお顔を拝見して思い出しましたが、神沢閣下が亡くなりましたな? 先刻夕刊で拝見しました」
「ははあ、然うですか? それはそれは。何ういう御病気でした?」
「御存知なかったですか? 脳溢血です」
「ははあ、太っていましたからな」
「矢っ張り死ぬじゃありませんか?」
とお父さんは揚げ足を取った。
佐久間さんを見送ってから夕刊を拡げると、成程、正三位勲一等功三級……と神沢さんが隅の方の黒枠の中で死んでいた。
「どれ。ふうむ。俺とは確か同年だったが、惜しいことをしたな」
とお祖父さんは旧戦友の面影を浮べているようだった。
「お祖父さん此方にも出ていますよ」
と僕はもう一枚の夕刊の雑報の中に神沢中将卒去の記事を発見した。
「どれどれ」
とお祖父さんは奪うようにして一読した後、
「驚いたなあ。直ぐ逝ってしまったんだね」