Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にせさつじけん
贋紙幣事件
甲賀 三郎
Lisez 贋紙幣事件 (にせさつじけん) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 495 caractères · 17 écrans
見ると、可哀相にびっこを引いている。森君も直ぐ気がついた。
「オヤ。びっこを引いているじゃないか。どうしたんだい。ちょっと脚をお見せ」
森君は往来にしゃがんで犬を抱えるようにして、びっこを引いている脚を持上げて、丁寧に調べた。
「やっぱり蝨がついているんだ。可哀そうに。脚の爪の間に蝨がつくと、自分では取れないからな。よしよし取ってやるぞ」
森君は犬の脚を高く上げて、爪の間に西瓜の種ほどの大きさに脹れている蒼黒い蝨をつまんで、力一杯引張って漸くの事で引離して、地面に投げつけると踏み潰した。その間犬は何をされているのか分っていると見えて、眼を細くしてじっとしていた。
「さあ、これでもうびっこを引かなくても好いぞ」
森君はそう云って、犬の脚を離そうとしたが、その時にオヤと云って首を捻った。見ると、脚の裏に何だか赤黒いものがベットリついている。
「血じゃないか。森君」
僕がびっくりして云うと、森君は首を振った。
「血じゃないよ。何かくっついているんだよ。変だなあ」
森君はポケットから紙を出して、犬の脚の裏をちょっとこすって見てから、脚を放した。犬は暫くクンクン云って尾を振りながら森君にジャレていたが、やがて一目散にどこかへ駆けて行った。