Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 626 caractères · 45 écrans

Aozora Bunko

――当人の罪じゃない。

去定ならそう云うであろう、年月は知らないが、遊女などで年期を勤めあげるうちには、人の想像も及ばないようなことを経験するだろう。生れつきの性分によっては、豊かな境遇や勝手気ままな生活の中でも、おきぬに劣らずたちの悪い女がいる。おきぬ独りの罪ではない、貧困と無知と不自然な環境とが、ああ云う性分をつくりあげたのだ。そう云うであろう去定の言葉が、現実に聞えるように思い、登は力のない苦笑をうかべた。

十月下旬の或る日、登は去定の許しを得て、麹町三番町の父母を訪ねた。十日ほどまえ、母が足を病んで寝ている、という知らせがあった。母の八重は四十六であるが、三十前後から右足の痛風が持病になっていて、季候の変りめには痛みが起こり、半月、一と月と寝るようなことがよくあった。去年、長崎から帰るとすぐ、養生所へはいってから約一年、登は頑固に家へは帰らなかったので、三番町を訪ねるのはかなり気が重かった。しかし、いつまで頑張っているわけにもいかないし、天野との話もあるため、思いきってでかけたのであった。

家へ着いたのは午ころで、父の良庵は患家へでかけて留守、登の知らない書生が玄関にいた。