Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 626 caractères · 45 écrans

Aozora Bunko

「こんなふうに」と云って、登はちょっとまをおいた、「こんなふうに死ぬのはよくない、持って生れた寿命を、自分で捨てるなどということは罪だ、ことにこんな小さな子供まで道伴れにするというのはね、――みんなが見殺しにできなかったのは当然のことだよ」

おふみは口をつぐんだ。ずいぶん長いあいだ、身動きもせずに黙っていたが、やがて、喉のかげんをして軽く咳き、独り言のように細い声で、ぽつりぽつりと話しだした。

五郎吉は深川、おふみは板橋で生れた。どちらも家が貧しく、五郎吉は七つ、おふみはもう五つのときから、子守に出された経験があった。二人の親たちも同じような育ちかたで、五郎吉の父はぼて振の魚屋であり、おふみの父は屑屋や、人足や、手伝いなどを転々としていた。五郎吉は十二の年から薬種問屋に奉公にいったが、十七のとき、倉で荷箱をおろしていると、それが崩れて来て、ひどく頭を打った。当座はなんでもなかったが、半年ほどすると、思いがけないときに一種の発作が起こるようになった。とつぜん意識が昏んできて、ものごとの判断ができなくなる。薬の箱をしまいにいって、棚の前に立ったとたんに、なにをしなければならないか、なにをするためにそこへ来たのか、まったくわからなくなってしまう。