Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 626 caractères · 45 écrans
と訊いた。
「あいつには手をあげました」卯兵衛はうんざりしたように云った、「長屋を追い出すんなら、五郎吉一家の心中、子供四人の死んだことを町方へ訴えて出るってんでね、――あいつのことだからやりかねませんや、そんなことになれば長屋じゅうの迷惑ですからね、みんなにも因果を含めて、とうとうそのままということになったんです、いやもう、まったくたいした女があったもんでさ」
登は胸がむかついて来た。その胸のむかつきかられるように、十兵衛のようすを診よう、と彼は云った。
おみきは立って茶の支度にかかり、十兵衛はいつものところに坐ったまま、じっと鴨居を見あげていた。初めのころより肥えたらしく、肩などまるまるとしていたし、頬などもずっと肉づいていた。登は側へいって坐り、ぐあいはどうだ、と云いかけたが、すぐ十兵衛に「しっ」と制止された。十兵衛は鴨居のほうへそーっと耳を傾けた。そうして、静かにそっちを指さしながら、登に向かって頷いた。
「聞いてごらんなさい、いい声でしょう」と十兵衛はたのしそうに云った、「この鶯は千両積んだって売れやしません、なんていい鳴き声でしょうかね、あの囀り、――心がしんからすうっとするじゃありませんか」