Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 146 caractères · 40 écrans
と半太夫は訊き返した、「それは、保本だけがきめていることだろう」
登は黙って頭を垂れた。こうなんだ、と彼は云いたかった。おえいは十歳という年で、身を護る決心をした。そうしてやがて子を産むだろうが、このきびしい世間の風雪の中で、子供をりっぱに育ててみせると云っている。去定の生きかたも同様だ、見た眼に効果のあらわれることより、徒労とみられることを重ねてゆくところに、人間の希望が実るのではないか。おれは徒労とみえることに自分を賭ける、と去定は云った。
――温床でならどんな芽も育つ、氷の中ででも、芽を育てる情熱があってこそ、しんじつ生きがいがあるのではないか。
だが登はそうは云わなかった。
「おれはここに残るよ」と登は答えた、「おれをここへ入れたのは赤髯先生だからな、その責任は先生にとってもらうよ」
そして彼は食堂を出た。
自分の部屋へいってみると、津川玄三がおかねと話していた。話すというよりもからかっていたらしい。おかねが躯をぐらぐらさせながら、大きな声でみだらな話をしてい、津川が露骨な口ぶりで相槌を打っていた。
「ああ、おまえさんだ」とおかねは登を見て云った、「あたしゃその顔を覚えてるよ、なんだいいけ好かない、こっちの先生のほうがよっぽどましじゃないか、澄ますんじゃないよ」