Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 146 caractères · 40 écrans

Aozora Bunko

と去定は云った、「食うに困って子に稼がせる親はあるが、丈夫な躯を持ちながらのらくらして、酒浸りになるために子を売る親はない、そういうやつは親でもなければ人間でもない、よく聞け、犬畜生でさえ、仔を守るためには親は命を惜しまないものだ、自分は食わなくともまず仔に食わせる、けものでも親はそういうものだ、きさまは犬畜生にも劣るやつだぞ」

おかねがなにか云い返そうとし、去定が「黙れ」とどなりつけた。

「あの娘は養生所で引取る」と去定は続けた、「きさまのことは町奉行に届けて、今後も子供たちをくいものにするようなら、然るべく処分をしてもらうからそう思え」

「そんな威しに乗るもんか」

「帰れ」と去定が云った、「このさき子供たちに手を出すと、自分の躯に繩がかかるぞ」

「そんな威しにひっかかるもんか」と云いながらおかねは立ちあがった、「へっ、町奉行だって」おかねは蒼くなり、ひょろひょろとよろめいた、「町奉行が怖くって江戸の町が歩けるかってんだ、曳かれ者の小唄みたいなことを云いなさんな、こっちは可笑しくって腹の皮がよじれちまわあ」

町奉行が束になって来たって、びくっともするおかねさんじゃあないんだから。