Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 864 caractères · 44 écrans
――おくにははがゆいくらい温和しい性分で、ぐちひとつこぼすでもなく、ひきこもって刻かまわずに賃仕事をし、子供たちの面倒もよくみるというふうだった。もちろん、亭主に反抗するようなことは決してなかったが、それにもかかわらず、富三郎は絶えずおくにに当りちらし、酔っているときなどは殴る蹴るという乱暴をした。――そして日が経つうちに、その乱暴は単なる八つ当りではなく、なにか仔細があるらしいことが、推察されるようになった。というのは、富三郎が酔って喚きたてるときに、「おやじのところへいって来い」と繰り返し云うのである。
――おやじはしこたま溜めこんでるんだ、てめえは一人娘じゃねえか。
――てめえのおやじは血も涙もねえ畜生だ、一人娘や孫が食うにも困っているのに、知らん顔で自分だけ好きなことをしていやあがる、あいつは人間じゃあねえ。
おくには返辞をしない。殴られても蹴られても黙っていて、泣く声さえもらさず、亭主の怒りのおさまるまでじっと辛抱している、というぐあいであった。その「おやじ」というのがなに者であるか、どういう事情があるのか、長屋の人たちはもちろん、差配の松蔵にもわからなかった。