Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 864 caractères · 44 écrans
「もしできるなら」とおくには唇をきつく噛んでから云った、「もしもあたしにできるなら、自分の手であの人を殺してやりたいくらいです、子供のことさえなければとっくに殺していたでしょう、今日やろう、今夜やろうと、何十たび思ったかしれやしません、これがあたしの、――本当の、正直な気持です」
そしておくには初めて眼をぬぐった。さっきの涙はもう乾いていたが、手でぬぐうと、その涙の跡がひろがって、隈取りのようになった。
「よくわかった」とやがて去定が云った、「よくわかったが、それは胸にしまっておけ、いいか、明日は間違いなくここから出してやれると思うが、いまのようなことを役人に云うとぶち毀しになる、黙って頭をさげていろ、なにか云われたら、ただ恐れいりましたとだけ云うんだ、子供たちのことを考えればできる筈だ。わかったか」
おくには口の中ではいと答え、頭が膝へ届くほど低く、ゆっくりとおじぎをした。
牢屋から外へ出ると、去定は黙って北のほうへ歩きだした。柏屋では「晩飯の支度をどうするか」などというのを聞いたし、朝からいろいろな事を経験したので、もう日が昏れるころかと思ったが、戸外はまだ傾いた陽が明るくさしていたし、町筋も往来する人や駕籠で賑わっていた。