Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 864 caractères · 44 écrans

Aozora Bunko

「しかしそんなに」と登が訊いた、「そんなに六助は金を遺していったんですか」

「五両と少しは遺したものだ、あとの十両は違う」と去定はきげんのいい眼つきで登を見た、「これは島田越後からめしあげたものだ」

登はけげんそうな眼をした。

「越後守は婿で、家付きの悋気ぶかい奥方がいる」と去定は続けた、「もう何年もまえから気鬱のやまいで、月に一度はおれが診察に呼ばれるし、おれの調合した持薬を絶やしたことがない、それでおれは、係りが島田でよかったと云ったのだ」

登はまだけげんそうな顔で、黙って去定を見ていた。

「黙っていると卑劣が二重になるようだから云うが、越後守は下屋敷に側室を隠している」と去定は眩しそうな眼をして云った、「妾を持つくらいのことにふしぎはないが、奥方の悋気は尋常なものではない、おれは、つまりそこだ、おれは、仄したのだ、――いいから云え、保本、おれのやりかたが卑劣だということは自分でよく知っているのだ」

だが去定の顔はやはりいいきげんそうで、自責の色などは少しもなかった。

「おくにが放免されたのは当然であるし、十両は奥方の治療代だ、しかも、おれが卑劣だったことに変りはない」