Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちょうじんひげのはかせ

超人鬚野博士

夢野 久作

Lisez 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 59 054 caractères · 117 écrans

Aozora Bunko

今の華族なんて奴は妙に家柄や何かを振まわすが、その振まわす根性といったら実に軽薄なものなんだ。よしんば親は泥棒にしても子供同士は清浄無垢なものなんだ。況んや俺の心境は明鏡止水、明月天に在り、水甕に在りだ。そんな軽薄な奴の息子にかけ換えのないお前を遣る訳に行かん。

あの医学士の羽振菊蔵を見よ。彼奴の親爺の羽振菊佐衛門は貴族院議員のパリパリで、日支銀行の頭取という財界の大立物なんだが、そんな名門面を一度もして見せた事がないばかりでない。俺に対する世間の疑惑が高まれば高まるほど熱心に俺の世話をしているだろう。毎日のように俺に秘密の電話をかけて俺を慰めていたではないか。その伜の菊蔵でも同じ事。親の光りで暇潰しの外交官なんかやっている青二才とは育ちが違う。俺の悪評が高くなったこの頃になって平気でお前に婚約を申込んで来るところを見ると相当の苦労人だ。あの男は目下大学で博士号を取る準備をしているそうだから。近いうちに博士になるだろう。博士になったら、お前の婿として恥かしくないのみならず、彼の精神が実に見上げたものだ。

第一唖川歌夫という奴は、外交官の癖に、親譲りの無口でブッキラボーで、刑事みたいな凄い眼付きをしているから、到底外交官なんかに向かない事が、わかり切っている。