Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろじょう

路上

芥川 竜之介

Lisez 路上 (ろじょう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 539 caractères · 87 écrans

Aozora Bunko

それから始めてのびのびと椅子の背に頭を靠せながら、

「君はもう卒業論文へとりかかったのか。」と、全く別な方面へ話題を開拓した。

「本だけはぽつぽつ読んでいるが――いつになったら考えが纏るか、自分でもちょいと見当がつかない。殊にこの頃のように俗用多端じゃ――」

こう云いかけた野村の眼には、また冷評されはしないかと云う懸念があった。が、俊助は案外真面目な調子で、

「多端――と云うと?」と問い返した。

「君にはまだ話さなかったかな。僕の母が今は国にいるが、僕でも大学を卒業したら、こちらへ出て来て、一しょになろうと云うんでね。それにゃ国の田地や何かも整理しなけりゃならないから、今度はまあ親父の年忌を兼ねて、その面倒も見に行く心算なんだ。どうもこう云う問題になると、中々哲学史の一冊も読むような、簡単な訳にゃ行かないんだから困る。」

「そりゃそうだろう。殊に君のような性格の人間にゃ――」

俊助は同じ東京の高等学校で机を並べていた関係から、何かにつけて野村一家の立ち入った家庭の事情などを、聞かせられる機会が多かった。野村家と云えば四国の南部では、有名な旧家の一つだと云う事、彼の父が政党に関係して以来、多少は家産が傾いたが、それでも猶近郷では屈指の分限者に相違ないと云う事、初子の父の栗原は彼の母の異腹の弟で、政治家として今日の位置