Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろじょう

路上

芥川 竜之介

Lisez 路上 (ろじょう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 43 539 caractères · 87 écrans

Aozora Bunko

」

不意打を食った俊助は、買うとか買わないとか答える前に、苦笑しずにはいられなかった。が、大井は黒木綿の紋附の袂から、『城』同人の印のある、洒落れた切符を二枚出すと、それをまるで花札のように持って見せて、

「一等が三円で、二等が二円だ。おい、どっちにする? 一等か。二等か。」

「どっちも真平だ。」

「いかん。いかん。金時計の手前に対しても、一枚だけは買う義務がある。」

二人はこんな押問答を繰返しながら、閲覧人で埋まっている机の間を通りぬけて、とうとう吹き曝しの玄関へ出た。するとちょうどそこへ、真赤な土耳其帽をかぶった、痩せぎすな大学生が一人、金釦の制服に短い外套を引っかけて、勢いよく外からはいって来た。それが出合頭に大井と顔を合せると、女のような優しい声で、しかもまた不自然なくらい慇懃に、

「今日は。大井さん。」と、声をかけた。

三

「やあ、失敬。」

大井は下駄箱の前に立止ると、相不変図太い声を出した。が、その間も俊助に逃げられまいと思ったのか、剃痕の青い顋で横柄に土耳其帽をしゃくって見せて、

「君はまだこの先生を知らなかったかな。仏文の藤沢慧君。