Classiques japonais avec furigana
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おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lisez 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) de 谷 譲次 (たにじょうじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 168 926 caractères · 332 écrans
このクルアシビイリと話しながら、私はそこらの隅から冷たい赤派の眼が窺っているような気がしてならなかった。
つぎの日、並木のまばらな田舎路をドライヴして馬家溝に横川、沖ほか四烈士の墓を見た。荒原の真ん中に高い記念碑が建っている。屍体を発掘したのは碑へ向って右横、すこし背後へまわった小高い地点で、日本から横川氏の弟が来たとき、ハルビンにいた日本人医師が多分このへんに埋めてあるはずだとそこを掘ったところが、はたして二つの死骸がかなり綺麗に扱われて葬ってあったのを発見したのだそうだ。射殺されたのは碑のうらで、当時はここに露軍の砲塁があったという。私は、両氏が眼隠しを拒絶して弾丸の前に立ったであろうあたりを見まわした。満目蕭条たる平野に雑草の花が揺れて、雲の往来が早い。陽が照ったり影ったりして、枯木のような粗林のむこうに土民の家が傾き、赤土に烏が下りていた。
すべては時間が適当に処理するものだ。当年碧血のあと、いまはただ野の草がさざなみのように風に倒れて、遠く浦塩へ通ずる鉄路の果てが一線を引いて消える地平に、玩具のような汽車が黒煙を吐いている。
かえりにその線路を横切る。