Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おどるちへいせん
踊る地平線(上)
谷 譲次
Lisez 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) de 谷 譲次 (たにじょうじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 168 926 caractères · 332 écrans
何からどう話を持って行っていいか――ま、とにかく、いやに星がちかちかしてタキシの咆哮する晩だったが、カラアを拒絶して一ばん汚ない古服を着用した私――ジョウジ・タニイ――が、多分の冒険意識をもって徹宵巴里の裏町から裏まちをうろつくつもりで、ちかちかする星とタキシの――に追われ追われて真夜中の二時ごろ、このサ・ミシェル――サン・ミシェルなんだが巴里訛はNが鼻へ抜けるためほんとうはこうしか聞えない――の「ラ・トト」へ紛れ込んで、国籍不明の「巴里の影」の一つになりすました気で大いに無頼な自己陶酔にひたっている最中、先方にしてみれば何もそこを狙ったわけじゃあるまいが、まったく狙撃されたように飛び上ったほど――つまり私はびっくりしたんだが、いきなりしゃ嗄れ声の日本言葉が私の耳を打ったのである。
『やあ! 一人かね?』
というのだ。断っておくが、この場合、その質問者は何も特に当方における同伴――男女いずれを問わず――の有無に関して興味を感じてるわけではなく、第一、ひとりか二人か見れあ直ぐ判るんだし、これは、言わばただ、おや! こいつあ何国の人間だろう? お国者かな? 一つ探りを入れてやれ、と言ったくらいの外交的言辞に過ぎないのだ。