Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かるいざわにて

軽井沢にて

正宗 白鳥

Lisez 軽井沢にて (かるいざわにて) de 正宗 白鳥 (まさむねはくちょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 560 caractères · 13 écrans

Aozora Bunko

はじめから、この世に恐ろしいものはない筈なのだ。それ等の尼達は、実際は危険な老女ではあるまいが、たとい、彼等が野蛮な怪物であったにしても、何も恐ろしいことはないので、元来、彼女の第一の願いは、死ぬることではなかったか。……そう思いながら、彼女はやはり震えていた。……首釣りには丁度誂え向きの木が河向うにあったので、或自殺希望者はその木を利用して望みを果そうと企てたのだが、その木へ近づくためには、朽ちた丸木橋を渡って行かなければならないのが怖かった。それと同様に、死を望んでいる浮舟でも、自分の眼前の世間が恐ろしかった。

この丘上の家で、労働に馴れない手足を使役して、よちよちと雑務をやっている一人の同居者は、普通の体質を有った中年の男性であるが、死ぬるのは何でもないことのように思っているらしい。行詰ったら何時でも死んで、自分の一生の解決をするらしく傍目に見られている。昂奮もせず、むしろ朗らかな態度で死を語っている。「なに、口先ばかりでそんなことを云って一種の享楽をしているのだろう」と、人世の経験者に嘲られそうであるが、その実この男は、綺麗さっぱりと嚢中を費いはたして一文無しになった時に、――辛うじて催眠剤の一箱を購い得られるだけの金が余っていた時に、ついに時機来れりと感じて、産を傾けて、人生解決の資料たるカルモチン