Classiques japonais avec furigana
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ろくろくび
轆轤首
田中 貢太郎
Lisez 轆轤首 (ろくろくび) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 065 caractères · 11 écrans
怪量はごそりと起きて笈を肩にした。
「それでは一つ厄介になろうかの」
「では足元に気をつけて、おいでなされませ」
岩山の間の道を攀じのぼって、やがて唯ある頂上の平べったい処へ出た。そこに草葺の家があって家の中から明るい灯が漏れていた。男は怪量を案内して裏手へ廻って往った。其処にすこしばかり野菜をつくった畑があり、畑の向うに杉の林があって、其処から筧の水を引いてあった。二人はその筧の水で足を洗って内へ入った。
炉の附近に四人の男女が控えて為た。男は怪量を上座へ請じてから四人を揮り返った。
「旅の御出家をお伴れ申したのじゃ、御挨拶申せ」
四人の者は交る交る怪量の前へ出て挨拶した。いずれも言葉は上品で態度もいやしくなかった。その後で女達は怪量に粥の膳をすすめた。怪量は無造作に粥を啜って、終ると口を拭い拭い主人の方を見た。
「御主人、先刻から御容子を伺うに、どうやら世の常の木樵衆とも見受けられぬ、以前は一花咲かした侍衆が、よくよくの仔細あっての山住いと睨んだが、いかがじゃ」
「それをお訊ねなされるか」
男は当惑したようにしていたが、やがて思いきったように顔をあげた。