Classiques japonais avec furigana
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めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
Lisez 迷信と宗教 (めいしんとしゅうきょう) de 井上 円了 (いのうええんりょう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 151 147 caractères · 298 écrans
かの者どもの告げによりて、先生は取るものも取りあえず、ここへ入りきたる。その形相、年のころは六十有余とも見えて、白頭の総髪、髯も白く、眼中するどくして、衣類は絹太織、浅黄小紋の単物、縮緬の羽織を着し、朱鞘の大小を横たえきたり、「珍客の御入来とて、招きに応じ参りたり」と、座中へも挨拶あり、客人へも初対面のあいさつ終わりて、「さて囲碁をいたさるる由、お相手になり申すべし。承りしところ、ことのほか御能達のよし、まず初めてのことなれば、互い先にて参るべし」と、口には言えど、心にはなんのへろへろ碁、ただ一番に打ちつぶしくれんずと思い、盤面に向かい始めしところ、さしたる好味の手も見えねども、ややもすれば危うきことたびたびなり。負けてはすまずと一世の肺肝を砕き打ち上げしところ、先生の方一目の負けとなり。よって、先生も途方に暮れて言葉なし。
しかれども、碁の家筋というにもあらざれば、ぜひなく客の方へ白石を渡し、自身は黒石を取りて打ちけるが、また一目の負けとなり。それより、だんだん一目ずつ置き上げ打ちけるとかくして各一目ずつの負けとなり。ぜひなく聖目置き、これにてはいかないかな負けることあらじと、一生懸命と日ごろ念ずる神々へ心願こめて打ちけるに、相かわらず一目の負けとなり。