Classiques japonais avec furigana
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どうじょうじ(ひとまくげき)
道成寺(一幕劇)
郡 虎彦
Lisez 道成寺(一幕劇) (どうじょうじ(ひとまくげき)) de 郡 虎彦 (こおりとらひこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 256 caractères · 30 écrans
妙源 や、女の姿が上って来る――
他の僧徒らまた一顧するや怪しく叫び、期せずして相捉う。たとえば恐怖の流れ狂僧の枯躯を繞り、歯がみして向うところを転ずるごとき、間。
妙念は立てるがままに息たえし死相のごとく、生色をひそめて凝立したりしが、ややありて引き抜かるるがごとく唐突に上手坂路の一角に走り、不安なる期待の間上りくる怪体を窺視せるや、たちまちにして疑惧を明らかにしたる表情にて。
妙念 何だそこへかけてくるのは依志子じゃないか。どうしたのだ。
依志子走り出づ。僧徒ら卑しき犬等のごとく視合う。
依志子 (歳三十に近く蒼白なる美貌。華やかならざれどもすずしきみどり色の、たとえば陰地に生いたる草の葉のごとくなるに装いたり。妙念に縋り鐘楼に眼を定め息を切らしつつ)妙念様――鐘は、鐘はどのようでございます。(異変なきさまを見得てやや心落ちつきしがごとく、はじめて妙念の血の色に気づき驚き身を退りつつ)ああ、血が――
妙念 鐘は見る通りまじないほどのひびも入らぬ。(再び怪体なる驕慢の微笑)その上にもう悪蛇は血の汁も出なくなって、皮ばかりにひしゃげた首をあすこの石の間に垂れているわ。