Classiques japonais avec furigana
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とおくでなるかみなり
遠くで鳴る雷
小川 未明
Lisez 遠くで鳴る雷 (とおくでなるかみなり) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 2 569 caractères · 6 écrans
」と、彼は、毎日のように、家の前の圃に出ては、きゅうりの葉蔭をのぞいて、一日ましに大きくなってゆく、青い実を見ては、よろこんでいたのであります。
いくつもきゅうりの実はなりましたが、その中に、いちばん先になったのが、いちばん大きくみごとにできました。
「お母さん、きゅうりがあんなに大きくなりましたよ。」と、二郎は、外から家の内に入ると、毎日のように母親に告げました。
「ほんとうに、いいきゅうりがなったね。」と、お母さんはいわれました。
二郎は、そのきゅうりがよくてよくて、しょうがありません。
毎日それに、さわってみては、もいでもいい時分ではないかと思っていました。
ある日のことでありました。お母さんは、二郎に向かって、
「二郎や、あの大きくなったきゅうりをもいでおいでなさい。つるをいためないように、ここにはさみがあるから、上手にもいでおいで。」といわれました。
二郎は、さっそく圃へと勇んでゆきました。そして、はさみを握って、葉蔭をのぞきますと、そこに大きなきゅうりがぶらさがっています。
二郎は、なんとなくそれをもぐのがしのびないような、哀れなような、惜しいような気がしてしばらくそこに立っていました。