Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とかいにおけるちゅうりゅうふじんのせいかつ

都会に於ける中流婦人の生活

豊島 与志雄

Lisez 都会に於ける中流婦人の生活 (とかいにおけるちゅうりゅうふじんのせいかつ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 772 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

日の光の中に咲き匂ってる花は、あのままでよいではないか。人生からあらゆる楽しみを取去って、苦しみだけを残す必要はない。偸安がいけないことであると同様に、偸苦もいけないことである。自由な安楽は、人に若さと活気とを与える。この意味で、上流の婦人等の生活も全然排し去るべきものではない。

ただ不正なのは、下流の生活と上流の生活と、両者が同時に存在してるからである。一方が苦しみ一方が楽しんでるからである。もし両者全部が苦しみもしくは楽しんでる場合には、不正は成立しない。両者の比較からのみ問題は生じてくる。

そういう問題を今私は取扱ってるのではない。個々のものそれ自身について云ってるのである。

さて、中流の婦人等の生活は如何なるものであるか。其処には、下流の生活に見るような鈍重な活力もなければ、上流の生活に見るような溌剌たる明るさもない。凡て萎微し沈滞しきって陰鬱である。

朝起きると、室の掃除やこまこました片付物などをし、女中が拵えてくれた食物を食べ、良人や子供達の服装の世話をし、良人を――或は子供をも――外に送り出し、それから髪を結い、再び顔を洗って化粧をし、着物を着直し、新聞などに眼を通してるうちに、もう正午となる。