Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じゅうきちひょうりゅうきぶん

重吉漂流紀聞

久生 十蘭

Lisez 重吉漂流紀聞 (じゅうきちひょうりゅうきぶん) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 456 caractères · 52 écrans

Aozora Bunko

といい添えた。

いずれは破船して、南海の藻屑と消える命を救われたことさえかたじけないのに、なんのゆかりもない三人の日本人を国へ送るため、雪の深いところで越年するつもりでいる。どういう因縁でこうまで心の深いひとにめぐりあったものかと、呆気にとられるばかりであった。部屋へ帰って二人にこの話をすると、半兵衛は、

「ベケットの親切はありがたいが、奥蝦夷の果てなどへ押しあげられては、凍え死にするか、熊に食われるか、いずれ、とてものことはあるまい。そこまでしてくれる親切があるなら、ついでのことに、長崎まで送ってくれるように頼んでくだされ」といった。

五十日ばかりも西南に走って、カムサッカのカワンという港に着いたが、一月ほど前に下り船が出、あとは来春でなければ便船がない。ベケットはいっそこの船で奥蝦夷まで送ってやるといい、翌朝、奥蝦夷の近海へ下ったが、季節は早や八月の末で、海いちめんに濃霧がたちこめ、どこが島やら地方やらで船をやることも出来ない。四日ばかりそのあたりをむなしく上り下りしたが、こんなことをしていると、海に氷が張りつめて行くも帰るもならなくなるから、カワンへ戻って、来春の便船を待つほかはないということになった。