Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のざらし

野ざらし

豊島 与志雄

Lisez 野ざらし (のざらし) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 19 100 caractères · 39 écrans

Aozora Bunko

その不満から、徐々に、絶望に似た憂苦がにじみ出してきた。

向うの連中が、春子に勘定を払って出て行った後、昌作も立ち上ろうとした。其処へふいに沢子が出て来た。その顔を見て昌作は、彼女の先刻の言葉を思い出した。彼は沈んだ声で云った。

「僕に話があるって、どんなことだい?」

「もういいのよ。」と沢子は落着いた調子で答えた。「先刻はお話するつもりだったけれど、よく考えてみると、自分でも分らなくなったから。」

昌作は彼女の顔をしげしげと見つめた。

「私ね、思ってることを口に出したり書いたりしようとすると、何だかはっきりしなくって、よく云えないわ。」

「そりゃ誰だってそうだろう。」

「そうかしら?」

沢子は卓の横手に坐った。昌作は彼女の絵画のことを云ってみようと思ったが、云った後で自分が益々陰鬱になりそうなのを感じた。それほどこだわってるのが我ながら不思議だった。彼はコニャックの杯をあけて、それをも一杯求めた。

どろりとした強烈な液体の杯を昌作の前に差出して、沢子は斜横の方に腰を下しながら、ふいに云いだした。

「あなたどちらにきめて?」

「え?」

「そら、九州の炭坑とかのこと。