Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

のわき

野分

夏目 漱石

Lisez 野分 (のわき) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 508 caractères · 189 écrans

Aozora Bunko

丸い火桶だから丸く掻きならす。角な火桶なら角に掻きならすだろう。女は与えられたものを正しいものと考える。そのなかで差し当りのないように暮らすのを至善と心得ている。女は六角の火桶を与えられても、八角の火鉢を与えられても、六角にまた八角に灰を掻きならす。それより以上の見識は持たぬ。

立ってもおらぬ、坐ってもおらぬ、細君の腰は宙に浮いて、膝頭は火桶の縁につきつけられている。坐わるには所を得ない、立っては考えられない。細君の姿勢は中途半把で、細君の心も中途半把である。

考えると嫁に来たのは間違っている。娘のうちの方が、いくら気楽で面白かったか知れぬ。人の女房はこんなものと、誰か教えてくれたら、来ぬ前によすはずであった。親でさえ、あれほどに親切を尽してくれたのだから、二世の契りと掟にさえ出ている夫は、二重にも三重にも可愛がってくれるだろう、また可愛がって下さるよと受合われて、住み馴れた家を今日限りと出た。今日限りと出た家へ二度とは帰られない。帰ろうと思ってもおとっさんもお母さんも亡くなってしまった。可愛がられる目的ははずれて、可愛がってくれる人はもうこの世にいない。