Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ななこ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lisez 野菊の墓 (ななこ) de 伊藤 左千夫 (いとうさちお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 71 271 caractères · 144 écrans
返事ではなかったのかしら……。なんだって浮いていたのを見つけたんだもの、よもや池とは思わないから、いちばんあとで池を見たら浮いていたんですもの、という。
それでも息を吹き返すこともやと思いながら、浮いておったということは、落ちてから時間のあることを意味するから、妻はしばしばそれを気にする。
「坂部さんが、坂部さんが」
という声は、家じゅうに息を殺させた。それで医者ならば生き返らせることができるかとの一縷の望みをかけて、いっせいに医者に思いをあつめた。自分はその時までも、肌に抱き締めあたためていた子どもを、始めて蒲団の上へはなした。冷然たる医者は一、二語簡単な挨拶をしながら診察にかかった。しかし診察は無造作であった。聴診器を三、四か所胸にあてがってみた後、瞳を見、眼瞼を見、それから形ばかりに人工呼吸を試み注射をした。肛門を見て、死後三十分くらいを経過しているという。この一語は診察の終わりであった。多くの姉妹らはいまさらのごとく声を立てて泣く、母は顔を死児に押し当ててうつぶしてしまった。池があぶないあぶないと思っていながら、何という不注意なことをしたんだろう。