Classiques japonais avec furigana
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きんざんそうわ
金山揷話
大鹿 卓
Lisez 金山揷話 (きんざんそうわ) de 大鹿 卓 (おおしかたく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 736 caractères · 22 écrans
実は底冷えする車のなかで、前には笑いばなしとして聞き過したその話を思い出して、私は別趣の感慨にさそわれずにいられなかった。また、宿の亭主の死様を思うとともに、かの市岡の無慙な死が思い合された。人々がそれぞれに死様を選びとる姿が、人間の愚かしさとも、果無さとも軽々しくはいいきれない冷い運命の下にあるように思われた。いや、それは暗闇という言葉だけでは闇の暗さがわからぬように、ただ運命といっただけではその広さも深さもわからぬ、そういう旁※(「石+(くさかんむり/溥)」、第3水準1-89-18)としたものの存在を思わせる事だった。
定山渓ではザクザクと凍えた積雪を踏んで宿へ入った。どてらに着換え、太い薪をくべて座敷のストーブを囲むと、私達の話は期せずして市岡の事に触れて行った。
森山の話によると、市岡と加害者との距離は、わずかに二尺ばかりの丸卓子一つだったという。弾はもろに下腹を貫通して、うしろにあった鉱石戸棚のひきだしの裏板へめり込むほどの勢だった。つづく二発目は、市岡が体をひねったので斜めに腹部を貫き、これもまた鉱石戸棚の奥へ届いていた。物音をききつけて走り込んできた細君が「あなた、早くおにげなさい」