Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lisez 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 957 caractères · 31 écrans
惣平次は漁師上りで、久住は侍――が、しかし、これも、怪しいさむらいだった。笹の関からすこし離れた焼津の浜に、中川藩のお舟蔵があって、久住はそこのお荷方下見廻りという役の木っ葉武士なのだ。しじゅう船に乗って、豊後水道を上ったり下ったり、時には遠く朝鮮、琉球まで押し渡ったりする。これは、名は貿易だが、体のいい官許の海賊で、希十郎は、まず、その海賊船隊の小頭格だ。からだが明くと、休養かたがた江戸見物に呼ばれて来て、何カ月もぶらぶらしている。そうかと思うと、ふっと、帰国されて、また焼津の浜から船へ乗り込んで、どこへとも知らず錨を上げる。
海で育った惣平次とは、話が合うのだった。
今度は、わりに長く江戸にとどまっていて、神田筋違御門ぎわの修理太夫の下屋敷から、こうして三日に上げず、この惣平次の番所へ遊びに来るのである。
いつも親子三人を前に、いろいろ話しこんで行く。海の冒険談、そういったものが主で、江戸育ちの庄太郎には、珍しかった。
それが、急に、もうじき豊後へ帰郷ることになったというので、庄太郎は、名残り惜しそうに、
「また海へお出になるのでございましょうね。