Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

『はちのこ』から『ごちゅうあん』まで

『鉢の子』から『其中庵』まで

種田 山頭火

Lisez 『鉢の子』から『其中庵』まで (『はちのこ』から『ごちゅうあん』まで) de 種田 山頭火 (たねださんとうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 548 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

緑平老の言葉はあたたかすぎるほどあたたかだった。

こうして其中庵の第一石は置かれたけれど、じっとしていられる身ではない。私はひとまず熊本へ帰ることにした(実をいえば、私には行く方向はあっても帰る場所はないのである)。

冬雨の降る夕であった。私はさんざん濡れて歩いていた。川が一すじ私といっしょに流れていた。ぽとり、そしてまたぽとり、私は冷たい頬を撫でた。笠が漏りだしたのだ。

笠も漏りだしたか

この網代笠は旅に出てから三度目のそれである。雨も風も雪も、そして或る夜は霜もふせいでくれた。世の人のあざけりからも隠してくれた。自棄の危険をも守ってくれた。――その笠が漏りだしたのである。――私はしばらく土手の枯草にたたずんで、涸れてゆく水に見入った。

あなたこなたと歩きつづけて、熊本に着いたのはもう年の暮だった。街は師走の賑やかさであったが、私の寝床はどこにも見出せなかった。

霜夜の寝床が見つからない

これは事実そのままを叙したのであるけれど、気持を述べるならば、

霜夜の寝床がどこかにあらう

となる。じっさい、そういう気持でなければこういう生活が出来るものでない。しかしこれらの事実や気持の奥に、叙するよりも、述べるよりも、詠うべき或物が存在すると思う。