Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はちのき
鉢の木
山本 周五郎
Lisez 鉢の木 (はちのき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 534 caractères · 28 écrans
のである。――こうしてなにを待っているんだ、そのときもかれはおなじ自問自答を繰り返していた。なにを待っているんだ、このとおりすべてがゆきづまり、あらゆる期待が絶望だとわかっているのに、どうしてこのみじめな生命に区切りをつけないんだ。幾たび繰り返してもおなじところへおちるにきまっていて、しかも絶えず頭を去らない苦しい想いだった、ついには堪えられなくなって、手にした小刀を措き惘然と外へ眼をそらした。そこへ道のほうから妹がはいって来た、……家の中はもうかた明りで暗かったが、戸外は黄昏まえの鮮やかな光りが漲っていて、はいって来る萩尾の姿をあやしいほど美しく描きだしてみせた。
「唯今もどりました……」萩尾は兄の眼に気づいてそっと微笑しながら会釈をした、四郎兵衛はわれ知らず「ちょっとそこに立っていてごらん」と呼びかけた。萩尾はなにごとかという風に立ちどまった、光りのためだけではなく萩尾は美しかった、四郎兵衛はまるで初めて見るような眼つきで妹の姿を眺めやった。着ている帷子は洗い晒してもう地色もよくはわからない、帯はいろいろの布切を継ぎ合せたものだ、油もつけない