Classiques japonais avec furigana
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ぎんのつえ
銀のつえ
小川 未明
Lisez 銀のつえ (ぎんのつえ) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 721 caractères · 8 écrans
黒い箱は、男をいれて地の中に埋められました。それから、春の雨は、この墓地にも降りそそぎました。墓の畔りにあった木々は、幾たびも若芽をふきました。そして、秋になると、それらの落ち葉は、悲しい唄をうたって、空を飛んだのであります。男は土の中で、オペラの夢を見ていました。こちょうのような、少女が舞台を飛んでいます。男は、また、いつものカフェーにいって、テーブルの上に、いろいろの色をした酒の注いであるコップを並べて、それをながめながら飲んでいる夢を見ていました。男にとっては、それは、ほんのわずかばかりの間でした。ふいに、彼は、揺り起こされたのであります。
「さあ、私についてくるがいい。」と、銀のつえを持ったおじいさんがいいましたので、男は、ついてゆきますと、やがて、彼は、さびしい墓場に出たのであります。
「おまえの墓は、これだった。この下に、いままでおまえは、眠っていたのだ。」と、おじいさんは、一つの墓石を指しました。
白い大理石の墓が建てられていました。そして、それには、自分の名が刻まれていました。兄さんが、建てられたということがすぐわかりました。
また、墓のまわりには、美しい花がたくさん植えられていました。