Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lisez 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 106 745 caractères · 216 écrans

Aozora Bunko

それがまたお色には嬉しかった。芝居、見世物の小屋掛けからは、稽古囃しが聞こえて来た。

横へ外れると半太夫茶屋で、ヒラリと渋染めの暖簾を潜った。

「おやお色さん、早々と」女将が驚いて顔を長くした。眉を落とした中年増唇から真っ白い歯を見せた。

「さあお通り。……後からだろうね?」

ヒョイと母指を出して見せた。

「私今日は嬉しいのよ」お色はトンと店へ上がった。

「そうだろうね。嬉しそうだよ」

「うんとご馳走を食べるよ」

「家の肴で間に合うかしら」

「そうして今日は三味線をひくわ」

「一の糸でも切るがいいよ。身受けされるっていうじゃあないか」

「その身受けが助かったのよ」

いつもの部屋へ通って行った。ちんまりと坐って考え込んだ。

「私あの人を嘗め殺してやるわ」

恐ろしいことを考え出した。

「逢い戻り! いいわねえ」――いいことばかりが考えられた。「初めてあの人と逢うようだわ」自分で自分の胸を抱いた。ちょうどあの人に抱かれたように。「だが何んだか心配だわ」今度は少し心配になった。「あの人何んておっしゃるだろう」これはちょっと問題であった。「のっけに私はこういうわ。もういいのよ。