Classiques japonais avec furigana
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しっぽうのはしら
鏡花短編集
泉 鏡花
Lisez 鏡花短編集 (しっぽうのはしら) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 632 caractères · 32 écrans
そんなのは、僧侶なんど、われらと、仏神の中を妨ぐる、姑だ、小姑だ、受附だ、三太夫だ、邪魔ものである。
衆生は、きゃつばらを追払って、仏にも、祖師にも、天女にも、直接にお目にかかって話すがいい。
時に、経堂を出た今は、真昼ながら、月光に酔い、桂の香に巻かれた心地がして、乱れたままの道芝を行くのが、青く清明なる円い床を通るようであった。
階の下に立って、仰ぐと、典雅温優なる弁財天の金字に縁して、牡丹花の額がかかる。……いかにや、年ふる雨露に、彩色のかすかになったのが、木地の胡粉を、かえってゆかしく顕わして、萌黄に群青の影を添え、葉をかさねて、白緑碧藍の花をいだく。さながら瑠璃の牡丹である。
ふと、高縁の雨落に、同じ花が二、三輪咲いているように見えた。
扉がギイ、キリキリと……僧の姿は、うらに隠れつつ、見えずに開く。
ぽかんと立ったのが極が悪い。
ああ、もう彼処から透見をなすった。
とそう思うほど、真白き面影、天女の姿は、すぐ其処に見えさせ給う。
私は恥じて俯向いた。
「そのままでお宜しい。」
壇は、下駄のままでと彼の僧が言うのである。
なかなか。
足袋の、そんなに汚れていないのが、まだしもであった。