Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しっぽうのはしら

鏡花短編集

泉 鏡花

Lisez 鏡花短編集 (しっぽうのはしら) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 632 caractères · 32 écrans

Aozora Bunko

――胸のせまるまで、二人が――思わず熟と姉妹の顔を瞻った時、忽ち背中で――もお――と鳴いた。

振向くと、すぐ其処に小屋があって、親が留守の犢が光った鼻を出した。

――もお――

濡れた鼻息は、陽炎に蒸されて、長閑に銀粉を刷いた。その隙に、姉妹は見えなくなったのである。桃の花の微笑む時、黙って顔を見合せた。

子のない夫婦は、さびしかった。

おなじようなことがある。様子はちょっと違っているが、それも修善寺で、時節は秋の末、十一月はじめだから、……さあ、もう冬であった。

場所は――前記のは、桂川を上る、大師の奥の院へ行く本道と、渓流を隔てた、川堤の岐路だった。これは新停車場へ向って、ずっと滝の末ともいおう、瀬の下で、大仁通いの街道を傍へ入って、田畝の中を、小路へ幾つか畝りつつ上った途中であった。

上等の小春日和で、今日も汗ばむほどだったが、今度は外套を脱いで、杖の尖には引っ掛けなかった。行ると、案山子を抜いて来たと叱られようから。

婦は、道端の藪を覗き松の根を潜った、竜胆の、茎の細いのを摘んで持った。これは袂にも懐にも入らないから、何に対し、誰に恥ていいか分らない。