Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ながさきのかね
長崎の鐘
永井 隆
Lisez 長崎の鐘 (ながさきのかね) de 永井 隆 (ながいたかし) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 65 109 caractères · 131 écrans
この世の中にただひとり生き残ったと思ったとたん、背筋がずーんとして足がすくんでしまった。死神の爪はやがて私の頸筋をつかまえるだろう。ふるさとの家がぼうと見えた。母の顔が見えた。橋本君はわっと声をあげて泣きだそうとした。まだ十七歳の女の子だった。と、その時「おーい、おーい」と呼ぶ声が聞こえてきた。すぐ近くの足もとらしくもあり、何枚か壁を隔てた向こうらしくもある。「おーい、おーい」また叫んだ。部長先生の声だ。部長先生が生きている。先生と二人生き残っているのなら、あれだけの玄関の死人の処置もやれるにちがいない。橋本君はたちまち、べそをかく小娘から勇敢な看護婦にたちかえった。そうして声をたよりに隣の室へ行こうとすると、レントゲン撮影台らしい物やら電流コードやら、闇の中のゆくてを阻んで足を運ぶことができない。スコップを置いてあった隅へ手さぐりで行ってみると、どこへ飛ばされたのかなくなっていて、その代わりにメガホンが手に触れた。階下の透視室には鍬もあり、婦長さんたちもいるのを思い出し、これはみんなの加勢を受けるほうがよいと判断して、撮影室を出て行った。毎晩灯火管制で歩きなれた廊下ではあったが、二、三歩行くと、ぐにゃりとしたものにつまずいた。