Classiques japonais avec furigana
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せきぼくじょうそうぎょうきじ
関牧塲創業記事
関 寛
Lisez 関牧塲創業記事 (せきぼくじょうそうぎょうきじ) de 関 寛 (せきかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 461 caractères · 40 écrans
実に北海道の夏は、日中は最も炎熱甚しく、依て此厚着にて労働するが為めには実に労るる事多し。且つ畑の傍にて朽木を集めて焼て小虫を散ずるとせり。故に少しの休息間にも、火辺にありて尚炎熱に苦むなり。
予は初めは和服にて蕨採りに出でし際に、小虫を耐忍する事一時ばかりなるも、面部は一体に腫れ、殊に眼胞は腫れて、両眼を開く事能わず、手足も共に皮膚は腫脹と結痂とにて恰も頑癬の如し。為めに四五日は休息せり。且つ頭痛と眩暈とにて平臥せり。
小虫を防ぐの着類は揃いて、皮膚及び眼胞の腫れも※じたり。依て蕨採りとして出掛て、藁叺を脊負い、手には樹皮にて作りたる小籠を持ち、草鞋はきたり。然るに小虫は四囲より集り、只眼のみあきたるにより、為に眼囲に向て集るを以て、絶えず手にて払わざる時は尚多く集りて耐ゆべからず。依て手にて絶えず払いたり。然れども右手に籠を持ち、左手にて蕨を採るゆえに、小虫を払う時は蕨を採る事能わず。故に時々は籠を手より離して、地上に置く事あり。為めに蕨を採る事少きを以て、翌日より籠に紐をつけて頸にかけて出懸たり。依て都合よく片手に蕨を採り、片手にて絶えず小虫を払いたり。