Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おかめ
阿亀
豊島 与志雄
Lisez 阿亀 (おかめ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 900 caractères · 14 écrans
ところが、やりかけのゲームを初めてるうちに、木谷は僕のところにやって来て、顔を近寄せて囁いた。
「先生、あんなことをいってるが、伊坂の細君が来ると、すっかり固くなってね、ちっとも球が当らないんだぜ。可笑しなものさ。」
「馬鹿な。」
僕は口の中で呟いて、額に薄暗い曇りを湛えながら愉快そうに球を撞いてる佐藤の方を、ぼんやり眺めやった。何だか気持がふわふわしてきた。立上っていって、店の方へ通ずる硝子戸を開けると、年上の女中が、そこの片隅で針仕事をしていた。
「ハバナの細巻を一本くれないか。」
それを貰って、火をつけながら元の席に戻ってきた。香りの高い煙が、真白な天井へゆるく立昇っていった。
「どうです。」
「当りが出て来ましたね。」
木谷は佐藤に応答しながら、僕の方へじろりと皮肉な眼付を向けた。僕は知らん顔をして、煙の行方を見守っていた。話はとぎれた。コーンコンという象牙球の音、眠そうなそれでも澄んだ数取りの声、明るい静かな広間、その中に凡てがいい気持に落着いていって、ハバナの煙の上から、阿亀の面がにこやかに見下していた。黒い薄い髪、赤い小さな口、小高い狭い額、ふくれ上った両の頬、その頬の真中に、まんまるく深い靨が掘られていた。