Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かのように
阿部一族・舞姫
Lisez 阿部一族・舞姫 (かのように) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 875 caractères · 141 écrans
石田は葉巻に火を附けて、さも愉快げに、一吸吸って、例の手習机に向った。北向の表庭は、百日紅の疎な葉越に、日が一ぱいにさして、夾竹桃にはもうところどころ花が咲いている。向いの内の糸車は、今日もぶうんぶうんと鳴っている。
石田は床の間の隅に立て掛けてある洋書の中から La Bruy※(グレーブアクセント付きE小文字)re の性格という本を抽き出して、短い鋭い章を一つ読んではじっと考えて見る。又一つ読んではじっと考えて見る。五六章も読んだかと思うと本を措いた。
それから舶来の象牙紙と封筒との箱入になっているのを出して、ペンで手紙を書き出した。石田はペンと鉛筆とで万事済ませて、硯というものを使わない。稀に願届なぞがいれば、書記に頼む。それは陸軍に出てから病気引籠をしたことがないという位だから、めったにいらない。
人から来た手紙で、返事をしなくてはならないのは、図嚢の中に入れているのだから、それを出して片端から返事を書くのである。東京に、中学に這入っている息子を母に附けて置いてある。第一に母に遣る手紙を書いた。それから筆を措かずに二つ三つ書いた。そして母の手紙だけを将校行李にしまって、外の手紙は引き裂いてしまった。